5.バリアフリー化


 日本の住宅は、国も最近バリアフリー化へ向け急速に施策展開をし、バリアフリー化が大切であるとの気運が高まり始めているものの、日本全体の充足状況をみてみると、一般的に供給されている民間や公的な住宅に関しては新築・改造を合わせても、現時点ではまだ残念ながら十分にバリアフリー仕様にはなっているとは言えません。
 

 特に、公営賃貸住宅など既存の公的な住宅については、段差の解消については殆ど無理があることと、可能な範囲で改造して住みやすくしようとしても退去時の現状復帰の条件があるため簡単には改造が出来ない状況になっています。従って、高齢になり事故や病気などによる身体状況の低下が起きると、そこに住み続ける事が困難になってきます。しかし、そのような時、新築時から本人の寝室と水廻りそして玄関迄のいわゆる「基本的生活空間のルート」がバリアフリー仕様に出来ていれば、少々身体状況が低下してきても、あるいは介護を受ける様になっても、あるいは不便な所があれば簡単な改造で済み、費用もそれ程掛からず、かなりの期間住み続ける事が可能となってきます。

 今後、日本においても全ての民間の住宅や公的住宅などの「基本的生活空間のルート」を前もってバリアフリー仕様にした良質の住宅ストックをもっと増やしていく必要があると考えます。

4.バリアフリー環境の整備
5.バリアフリー化
3.バリアフリー対応住宅
1.バリアフリーの考え方
2.心のバリアフリー