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住まいをバリアフリー化することは、障害を持った高齢者や障害者達にとって大変に有効に役立つものであり、住み慣れた住まいに住み続けるためには欠かせない重要な要件です。また、そればかりでなく、段差解消や便所や浴室の手すりなどは、本人以外の家族などにとっても危険を防止し安全を確保し、共通に有効で役に立つものがあることが多いのです。これは、最近、頻繁に言われるようになってきたユニバーサルデザインの考え方と同じ考え方になります。しかし、住まいの中のバリアフリー化が進めば、それで高齢者の日常生活の中の障害は全て無くなるのかというといささか課題が残ります。
住まいをバリアフリー化しようとする目的は、まず「高齢者が家の中で支障なく日常生活を送れる様にするということにある」のは間違いありません。そうなることによって、「日常生活全体が本人の意思によって、生き生きと過ごせるようになる」ことに最終的な目的はあるといえます。しかし、誰にも分かるように、その人がもし障害もなく健康であれば、日常生活は家の中だけで過ごしている訳ではありません。もし、車いすを使うようになっても可能でありさえすれば、多い少ないはあるにしても家の外へも出て行きたいと考えるものです。一般的な日常生活を考えると、買い物、散歩など家の外へ出かけたいと思う要求は数え切れないほど沢山あります。その様に、「人は地域との深い係わりの中で生活をしているのだ」と認識することがとても重要です。