1.共通部分と個別対応
2.全く逆の対応
3.双方からのアプローチ

  ユニバーサルデザイン



 最近、「バリアフリーデザイン」という言葉に加え、「ユニバーサルデザイン」という言葉を頻繁に聞くようになってきました。

「ユニバーサルデザイン」は1970年代に、自分自身も重度の障害を持ったアメリカの建築家のロナルド・メイス氏(ノースカロライナ州立大学建築学科教授)によって提唱されたもので、「全て(出来るだけ多く)の人々にとって快適で利用可能な製品や建物や空間などの環境作りを目指す」という考え方です。大学内のCUD(ユニバーサルデザインセンター)によりますと「@利用の公平性、A利用にあたっての高い自由度、B利用法が直感的に分かること、C与えられる情報の理解のし易さ、D利用ミスの許容、E無理な姿勢や力が要らないこと、F寸法と空間の包容性」の7つをユニバーサルデザインの原則として定めています。

 つまり、一部の人々だけを対象にしたデザインではなく、高齢者も障害者も健康な人も乳母車の人も子供も分け隔てなく使えるデザインを目指そうというわけです。これを熱心に言う人達のなかには、これからは「バリアフリーデザイン」から「ユニバーサルデザイン」へ変わっていくのだと言う人達までもいます。

 しかし、それらの考え方は双方共に障害を解消しようとする際に必要な基本的なものであり、かなりの部分が結果として障害を無くして安全と便利さを確保しようと言う点で共通する事を考えると、その部分についてはどちら側から障害にアプローチするかの視点の違いとして整理していいのではないかと、私は考えています。