2.全く逆の対応

  2.全く逆の対応

 視覚障害者や聴覚障害者などの場合は、障害が違うようにそれぞれかなり対応の方法も違ってきます。
 
 例えば、車いすの人と視覚障害者では、最近は日本中至る所で見掛ける公共施設や道路に敷設された点字ブロックに対する考え方は、全く逆になる場合があります。しかし、同時に要求される対応です。
車いすの人達は、腕力が弱っているため2p程度でも乗り越えられない人もいます。介助の場合でも段差があると大変です。点字ブロックの突起は0.5p程度あり、乗り越えるのは良いとしても通行時にがたがたして操作に支障が生じます。そのため、段差部はスロープにするなど段差が全くないことが望まれます。それに対し視覚障害者の場合は、点字ブロックや段差などで自分の位置や場所を認識することがあるため、そのようなものが無いと境界が分からず危険なので段差があった方が良いとの意見もあります。
 
 このように、「障害の違いによって必要とされる対応が違うということは、その部分については共通したデザインで物が作れない。」という事でもあります。もし対応するとすれば両方を同時に用意しておく必要があります。しかし、現実にはスペースやその他のさまざまの条件によってそう簡単な事ではありません。

3.双方からのアプローチ
1.共通部分と個別対応