1.グループホーム


認知症(痴呆)高齢者グループホーム
 最近、国でも勧めておりあちこちに増えている認知症(痴呆)高齢者の住まいとしてグループホームがあります。今のところ、グループホームの実情としては入居定員数がかなり幅広く4〜10人ぐらいのものまであります。民間でも設立が簡単に出来るため、中には問題のある施設もあるように聞きます。しかし、特養などと大きく違うところは身体介助部分が比べて少ないこともあり、関わる専門職の数が少ないところです。従って、ケアの質についてはグループリビングをしている入居者の個々の症状にあわせ良く注意を払って運営していく必要があります。おそらく、グループホームでのケアの仕方は施設で行っているものとはどこかで違うのだろうと思います。

 少人数によるグループリビングについてはそれまで多動だった人が落ち着いて生活できるようになるなど一定の精神安定効果があることは確かなようです。しかし、それが少数の固定したスタッフとの関わりによる精神的な安定が効果をもたらしているのか、入居者が少人数だということがその効果をもたらしているのか相関関係についてはまだ厳密には明確にはなっていないのが現状のようです。さらに、グループホームが複数集まった形態で構成した場合に、特養で行われているグループリビングと何がどのように違うのかといったさらに細かい点などについてはまだ研究中のようです。比べれば、スタッフの数や専門性などの体制が違うのははっきりとしていますが、認知症(痴呆症)の場合、症状や対応に対する効果を本人に直接に確認することが難しいというハンデがあるため、実際の使用状況から類推するしかない部分が多く、関わる人たちにとっては専門性の問われる大変な分野であることは間違いないところです。施設などで造られている回廊(一つの方法とは思います)などのように徘徊という症状を容認し、やり過ごし見守るだけではない、ケア対応で徘徊を少なくすることが出来ないのかといった、一歩踏み込んだ解決策が求められているのだろうと思います。早く、有効なデータが蓄積されて認知症(痴呆)高齢者に福音をもたらすような、システムと施設が用意できるようになればと考えます。

■認知症(痴呆)高齢者施設
■認知症(痴呆)高齢者グループホーム
3.日々の器
1.グループホーム
2.施設

福祉施設