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雪は解けると何になるか(2002.3.4)

 このところ、寒い中にも木々の芽吹きも見られ少しずつ春めいてきて、気持ちもだんだん華やいでくる感じがします。そのせいか、毎朝、眺めている富士山の雪も心なしか表情が違うような気がしています。
 福祉関係者の間でよく引き合いにでてくる言葉で「雪は解けると何になるか」という有名な言葉があります。聞いたことのある方は直ぐにお分かりだと思いますが、あなたはどのようにお考えになるでしょうか。答は二通り示されています。一つは実に明快な物理的な答です。水になるそうです。もう一つの答は、心理的・情緒的観点からの答ですが、雪が解けると草花が芽を出し春になるのだそうです。この答を聞くと何と素直で夢のある素晴らしい感性の人かと私もつい感心してしまいます。私も好きな答です。
 しかし、私はふと持ち前の気性からこの二通りの答しかないのかなと考えてしまうのです。確かにこれらの答は全く対称的な解答であり、例示としては文句の付けようがありませんが、突然質問されてなかなかこの域まで答えられる人は少ないのではないでしょうか。やはり、この質問の意図を考えると中間的な答や他の答もあっていいのかなと思うのです。おそらく、この質問をした人は後者の答を望んでいるのかなと思います。しかし、素直に水になると答えた人は福祉について理解がないとか、考えていないことの証明にはなりません。そのように答えた人の方がこつこつと真面目に仕事をこなしている場合があるかもしれません。逆は必ずしも真ならずの例です。つい、水になると答えた人を少しでも責める気分があるとすれば、行き過ぎになりますから気を付けなければなりません。それぞれが事実ではあるのですから。
 しかし、福祉分野に限らずややもするとこのようなパターンの問答は至る所にあります。何事にも答には両面があることを考え、一面的に見過ぎず、一方的に押しつけない配慮が大切なことだろうと思います。このようなテーマも心のバリアフリーの一部と考えて良いのではないでしょうか。


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